記憶の中のカメラ女子



彼女が持っているのは、望遠レンズを付けたオリンパスOM-1。

カメラ女子という言葉を耳にするけれど、オシャレに写真を楽しむ女子のことだそうで、言われてみれば街中でカメラを下げた女性を目にすることが多くなった気がする。楽しみ方も様々で、デジタルネイティブと思われる人がアナログカメラを使っているのを見ると、そのギャップがいいなぁと思う。

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さて、種明かしをすると、実はこれらの写真は最近のものではない。
37年前の1982年、季節はちょうど今と同じ、桜の咲くころ。二人で公園へ行ったときに撮ったもので、当然のことながら、デジタルカメラは影も形もない時代。このとき、私はミノルタXDに50mmを付けて彼女を撮っていたはずである。

先日、実家に行った際に整理していたら出てきた写真で、これを見たとき、まさしくカメラ女子ではないか、と思った。

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40年近く前のプリントやフィルムは、経年により色が褪せ、汚れもついていた。そこで、フィルムをスキャンして再生処理を施したところ、写真は見違えるほど綺麗になり、まるでつい最近撮ったかのようになった。綺麗になった写真を眺めていたら、当時の記憶や感覚がまざまざと蘇ってきて、時間の遠近感が狂ってしまったのか、今でもあの頃のままの彼女がいるような気がした。

記憶の中のカメラ女子は、琥珀の中に閉じこめられた太古の昆虫のように、16歳のままなのである。