Illiers Combray, 1991

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写真の建物は、イリエ=コンブレーの駅舎である。
イリエ=コンブレーという土地の名を聞いて、
何か思い当たるとしたら、
プルーストの「失われた時を求めて」を
ご存知の方かもしれない。

小説で出てくる場所のモデルになった土地で、
この旅行で、どうしても行ってみたかった。
しかし、訪れたのはクリスマス当日だったので、ほとんど人を見なかった。
一軒だけお菓子屋が開いていて、
マドレーヌはないかと思ったが、残念ながらなかった。
ちなみに、マドレーヌは小説で重要な役割を果たしている。
代わりにプルーストの肖像が箱に描いてあったチョコレートを買った。
ちょっと高いなと思ったが、美味しかった。
もう一度食べてみたいお菓子である。

1991年の旅行で、フランスの一連の写真は、これで一段落。
また、機会があったらイギリスの写真もアップする予定です。

Chartres, 1991

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前回に引き続き、今回も1991年の旅行から。
シャルトルを訪れたのは、クリスマス・イブだった。
シャルトルといえば大聖堂。
大聖堂の写真も撮ったけど、
昼間は人の多かった通りが日暮れとともに閑散とし、
街灯だけが石畳を照らしているのもまた魅力的である。

Paris, 1991

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モノクロを撮り始めたきっかけを思い起こしてみると、
この写真を撮った旅行だった。
91年から92年にかけて、年末年始の休みを利用し、
ドイツ、フランス、イギリスを旅行した時の写真である。

この時の機材は、CONTAX T2のみ。
当時は今ほど写真を撮っていなかったし、
この旅行は写真が目的ではなかったので、
軽くて、かさ張らないコンパクトカメラにした。
ただ、カラーフィルムに加えて、
なんとなくモノクロフィルムを数本だけ持って行ったのである。
その理由は「冬のヨーロッパはモノクロが似合いそう」という
気分的なものだったと思う。

ところで、私の幼い頃は写真といえばモノクロだった。
小学生の頃、最初に撮った写真もモノクロである。
小学校の高学年あたりから、だんだんモノクロより
カラーがメジャーになっていった気がする。
モノクロは古く、カラーは新しい、そんな時代背景もあり、
学生時代に撮っていたのは、ほとんどカラーで、
モノクロで撮った記憶はあまりない。
だから、この旅行にモノクロフィルムを持っていったのは、
本当に気分的なものだった。

旅行から帰ってきて、同時現像に出したところ、
モノクロで撮った写真に何枚か気に入ったのがあり、
キャビネサイズに焼いてもらうことにした。
当時、新宿の甲州街道沿いにあったイマジカの営業所へ行き、
手焼きでお願いした。
上がってきたプリントは、黒がよく締まっていて、諧調も美しく、
同時現像のものとは全く違う印象だった。
プリントによって、こんなに変わるものかと思った。
それに、白と黒の諧調だけの世界も美しいではないかと。

これがモノクロとの邂逅だった。